2022/05/06 08:00

忘れられない人生の一ページ

受け入れ拒否が強い方との関わりの中で見えてきたものとは…

お客様と私は、年齢差がなんと約50歳以上⭐︎ 人生の大先輩であり、どのように関係性を築いて行くと良いかと考えていました。

この方は都心に住む娘さんからの依頼で、定期的にお父さん(お客様)の様子を見てきてほしいということで訪問してしていた方でした。

高齢ですが、介護保険の介護度がつくような状態でもなく、とってもパワフルでお元気な方。

行政サービスも利用することなく独居で、娘さんも高齢となり頻回に帰省できないこともあり、お父さんの性格的なとことも十分理解された上で、だいぶん困っている状況でのご依頼でした。娘さんなりにお父様を思ってのご依頼なのがとても伝わりました。

職人気質で頑固者で、外部との交流を拒み、新しい人、ものが介入することをすごく拒む方でした。門前払いにあい、正直受け入れて頂くことも難しく悩みました。嫌われっちゃってるかも・・・どうやって介入していけるだろうと悩みました。

ある時ご自宅にお伺いしたら、すっごくコーヒーのいい香りが漂ってきました。

もしかしてコーヒーがお好きなのかも??と思い、仲良くなるにはこれだ!!!!!と思い、お伺いしてみたところ、今までの表情が嘘のように変わり、「あんたもコーヒー好きか??」と嬉しそうな表情で聞いてくださったのです。

私はアルコールよりもコーヒーが大好きで、いつもコーヒーミルで豆を挽くところから一日が始まる生活なので、共通の話題がありすごく嬉しかったです。

一気にコーヒー談話で話が弾みました。好きな銘柄や最近はまっている品種のこと、さまざまなこだわりなどたくさんお話しをしてくださって、

私もとても勉強になりました。それからというもの、私が来ることを楽しみにしていてくださり、その度に新しい品種を用意していろんな情報をくださったりとコーヒーがきっかけで一気に関係性が築けたのです(^ ^)

娘さんも、お父さんが嬉しそうに話しているのを電話越しに話されている様子を通して、本当に喜んでくださいました。

コーヒーの話題を通して関係性を築きながら、健康状態のチェックをし、これまで歩んでこられた人生のこと、ご家族のこと、これからの人生の終い方など少しずつ思っておられることを話してくださるようになりました。その思いを受け止めながら、必要に応じて娘さんへの橋渡しをさせてただいたりすることもあり、遠く離れている娘さんにとても安心していただけているご様子でした。

関わらせていただいて数ヶ月後、あんなにお元気でしたが突然のお別れとなりました。

私は今でもコーヒーを飲むたびにこの方を思い出します。

当たり前の日常などなくて、日々一日一日が大切な1日であることを改めて感じた出来事でした。

私の好きな言葉、この言葉も大切な方から教えていただいたのですが、私は日々この言葉の意味を座右の銘として大切にしています。

「明日ありと思う心の仇桜」

明日自分の命があるかどうかわからない、だからこそ今を精一杯大事に生きていきたいという意味です。

 

日々命と向き合っている方々と関わらせていただく私は、本当にこの言葉の意味を痛感しています。感謝の気持ちを忘れずに、言葉で伝えることの大切さも身を以て経験しています。

「ありがとう」という言葉が大好きです。

誰しもが悩みを抱え、不安や葛藤を少なかず持っていると思います。隣の芝は青く見えるものです。

ネガティヴに考えていても、一度きりの人生勿体無いと思いませんか?

悩む時間はできるだけ短く!考えるより行動だと私は考えています。

今を大切にしましょう(^ ^)    酒田